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YETTO& 4×4=16のカンノアキオによる、最悪を更新し続ける夏を生き抜く労働者へ贈るサマードライブチューン

自転車デリバリードライバーの視点から街を歌う“good driver”

2023年酷暑の記録として、新たに4×4=16のカンノアキオが参加し、5分半の大作に変貌している。


『good driver -Summer Damn'23-』について

2020年から21年にかけて、共に自転車デリバリーサービスで働いていたラッパーのYETTOとKTY(MONJU N CHIE、mizunotabibito)は、デリバリードライバーの現状について歌う楽曲“good driver”を、2020年12月の発表以降、社会情勢が変わるごとにアップデートしてリリースし、アルバムとして『20’s Over Drive Tracks』をリリースした。

今回、個人的事情でデリバリーを副業として再開したYETTOは、事態の悪化を思い知り、急遽、現在もデリバリーをメインに働く4×4=16のカンノアキオにラップを依頼。カンノがオーダーを大幅に超過した64小節をドロップし、それに呼応してトラックも大胆にアレンジされ、これまでと全く違う形へ変貌した。


参加アーティストについて

ラップはYETTOに加え、新たに4×4=16のカンノアキオが参加。

トラック、ミックス、マスタリングはYETTOが担当。

演奏にはSaxでSaya、BassでYuri(CHAILD)が参加。Saxは新録となる。


※リリース形態について

本作品は、Apple Music、Spotifyなど各種ストリーミング配信にて公開中。

また、Bandcampにて購入配信も可能。こちらについては購入者特典として、インスト版とYETTO、カンノアキオが曲を聴き、歌詞の内容や労働について対話するオーディオコメンタリー音源が付属する。


YETTOよりコメント

(これまでの流れについて)

2020年〜2021年、私はうつ病が割と深刻で、デリバリーでしか労働が出来ない時があり、その労働環境やコロナ禍で移り変わる東京という街について、同じくドライバーをやっていたラッパーのKTYくんと二人で曲を作り続けアルバムまで作成しました。

それ以降は精神も比較的安定し、仕事をなんとか見つけつつ、諸々人生を整えつつ、この春から新たな機材代確保の為、副業としてデリバリーを再開した途端、アルバム制作時より圧倒的に悪くなった労働環境を痛感しました。

また、以前アルバムとして作りきった際に、体裁を整える為とはいえ、美しく楽しい読後感を提供してしまった事への罪悪感があり、また、珍しい話題でアルバムを作った後の小さな反響も踏まえ、

今回、異常な酷暑、事件や加害が続くこの夏をモチーフに、もう一度”good driver”という曲を作り直すというか、壊し直すことにしました。


(今回の曲について)

最早デリバリーを行っていないKTYくんに代わり、現在もこの仕事をやっている4×4=16のカンノアキオくんに声をかけたところ、(頼んでないのに)64小節も書いてきまして、それに合わせてオケも大きく改変し、Saxも新録しまして、苦い後味を提供できていると思います。

辛い夏がどこまで続くのか、来年も続くのか、はわかりませんが、きっとすぐに全てはよくならないと思うので、時々聞いてみて最悪の夏に思いを馳せてください。

…ところで、本当に最悪なのは、季節のせいなんだろうか?


カンノアキオ(4×4=16)よりコメント

YETTO君とKTY君の”good driver”プロジェクト。傍目で見ながら「いいな~。参加したいな~」と思っていました。

私も副業の一つとして2018年から自転車でデリバリーをしており、勤めていたアルバイトも辞めて、結局本業みたいな感じで今に至ります。

この仕事の良いところは、ほとんど誰ともコミュニケーションを取らないで済むところです。「仕事上の会話」が非常にストレスな私は、それで通常の仕事が続かないところがあるのですが、デリバリー業務はお店の人から受け取って配達するだけなので、丸一日の会話の合計が2分半くらいだと思います。これが幸か不幸か、私のような人間にはピッタリの仕事でした。


ただ天候やお客の食欲等で注文量は変動しますし、特にこの夏は自分の寿命を削る思いで配達していましたし、今もしています。

その中、マンションのエントランスをなぜか開けないお客に出くわしたり、何分待てば料理ができるのかさっぱり言ってくれない店で待たされたり、そもそも配達料金がすごく減らされたり。

「お前がその仕事選んだのだから自己責任だろ」と言われたらそれまでですが、とてもしんどいです。あまりにしんどいので、あっという間に64小節書いてしまいました。喰らえ、渾身の2~3日で書いたロングバース!


ちなみにこれを書いている本日(2023年8月15日)、マンションのエントランスを開けないお客に遭遇し、名前が記載されていないアパートで迷わされ、全然料理を出さないハンバーガーショップのキャンセル依頼をデリバリーサービスに出したら1時間も待たされ、本当に散々でした。こりゃまた64小節書けるな…。


音源情報
『good driver -Summer Damn’23-』ジャケット

『good driver -Summer Damn ’23-』

YETTO & カンノアキオ(4×4=16)

フォーマット:配信


【Track List】

1.good driver -Summer Damn ’23-


配信URL:

ストリーミング配信 https://big-up.style/v7yF34umal



アーティスト情報

YETTO

1995年生まれ。ビートメイカー。ソングライターのYETTOによるプロジェクト。

BassにYuri(CHAILD)、SaxにSayaが参加しがちだが、固定ではなく、信頼はある。

2020年頭までメディア系の会社員として働いていたが、人的トラブルや業界の金銭事情に思い悩む内にうつ病と診断され休職。新型コロナウィルスの流行と共に困窮する経済に影響を受けて精神が悪化し、同春に会社を退社。同じ頃、リハビリの代わりに、友人から譲ってもらったMPC1000を修理して、ビート制作を開始する。

ニューウェーブ、ジャズ、ブロークンビーツ、アニメソングなどの影響を注ぎ込み、音楽を作成中。生活者・労働者の視点を捨てず、資本主義を疑いながら、今日もファットに細々生き延びている。


カンノアキオ(4×4=16)

2017年頃から断続的に活動しているカンノアキオのソロ・ラッププロジェクト。"会話"や"落語"など、音楽外の文化を取り入れたラップ楽曲を日々制作している。

また、音楽語りにも力を入れており、友人との音楽駄話ブログ『SOMEOFTHEM』を毎週更新、これをZINEにした『SOMEOFTHEM OF ZINE』もVol.3まで発売。


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